太陽拳の歴史シリーズの続編ですw
カテゴライズしといたのでまとめて見れるようになりました。

ディセンション発売後、太陽拳の前世たるヤマコンの製作者Y川先生が注目したのはこのカードでした

《宮廷の軽騎兵/Court Hussar(DIS)》

通称ケーキ。

当時《ふるい分け/Sift(9ED)》最強を信じて疑わなかったシミチンはこれには見向きもしていませんでした。

実際、《ふるい分け/Sift(9ED)》のほうがドローの能力としては高く、トロンなどに対しては明らかに《ふるい分け/Sift(9ED)》優勢でした。

しかし、そのポテンシャルは絶大でした。

《サバンナ・ライオン/Savannah Lions(8ED)》に打ち勝ち、
《深き刻の忍者/Ninja of the Deep Hours(BOK)》を止め。
大型の生物をガッチリとチャンプブロック。
悩みの種であった《巨大ヒヨケムシ/Giant Solifuge(GPT)》をも切り裂くこの1/3に再びスポットがあたるのはニッセン1次予選直前のPWCでした。

当時太陽拳で草の根大会を大暴れした某M氏はこのカードを「ださい」と酷評しましたが、
とりあえず実験的にシミチンは投入してみました。

しかし結果はビートダウンにほとんど当たらず惨敗。

トロン隆盛のメタではやはり微妙だったのか・・・

そう思ったのもつかの間、いつの間にM氏がこのカードの虜になりました。

最初ださいって言ったのにw

サイドボードに《盗用/Plagiarize(TOR)》《巨大ヒヨケムシ/Giant Solifuge(GPT)》を積んだトロンも増えたため、この選択は確かに良いように見えます。

また、ついに日本でも流行り始めた青赤マグニボアに対しても《ふるい分け/Sift(9ED)》より優れているのは明らか。

というわけで、いつしか《宮廷の軽騎兵/Court Hussar(DIS)》は主流になっていきました。
しかし《地底街の手中/Clutch of the Undercity(RAV)》まで抜くこの大胆っぷりが果たして本当に正解なのかは疑問が残ります。

ちょうどその頃、MOでディセンションのパックを太陽拳で荒稼ぎしていたら、しょっちゅうリスト教えろとのメッセージが来るようになりました。

太陽拳は英語で「Solar Flare」というらしいので
その名前とともにMOでも少しずつ広めていきました。

MOでは青赤ボアやトロンの時代だったので、それらを食うべくZooやグルール系のデッキが増えています。
そのためやはり使われるのは《宮廷の軽騎兵/Court Hussar(DIS)》

また、POYことコガモさんの情報によると、オーストラリア選手権のトップ8には4人太陽拳がいて優勝も太陽拳だそうです。
フランス選手権には太陽拳はいませんでしたが、今週末行われるアメリカ選手権に現れるのは間違い無さそうです。

かつてぞんびの作った青トロンがアメリカ選手権で大きな進化を遂げたのと同じように、太陽拳も進化するのでしょうか。
アメリカ選手権の結果に注目です。
今日MOで構築特攻したら、kazuhikoさんを踏みました。
kazuhikoさんの使用デッキはなんと太陽拳。

同系を踏むようになるとは、世の中変わったものですw

しかしkazuhikoさんのほうには《清麻呂の末裔/Descendant of Kiyomaro(SOK)》が入っていて、若干それが無駄になるぶんこちらが有利。
1本目は死闘の末、ラス4枚を使わせた後メロクがブチギレて勝ち、
2本目はお互いに《頭蓋の摘出/Cranial Extraction(CHK)》でフィニッシャーを抜きあうという壮絶な死闘の末こちらの《象牙の仮面/Ivory Mask(MM)》が割られずに生き残り、最後は《強迫的な研究/Compulsive Research(RAV)》2連打でライブラリアウト勝利w

以前猫先生と勝負したとき《海の中心、御心/Mikokoro, Center of the Sea(SOK)》でダブルライブラリアウトしたりしましたが、本当にこのデッキの同系戦は面白いw
GP浜松は終わったものの、まだPTQが残ってるわけで、
太陽拳を調整しないわけにはいかないねぇ。

太陽拳は《強迫的な研究/Compulsive Research(RAV)》を使うためにイゼットロンと共生出来ず

《差し戻し/Remand(RAV)》を使いたがるためマガシューとも共生しづらく

《神無き祭殿/Godless Shrine(GPT)》《屈辱/Mortify(GPT)》を使うために白黒ビートとも共存が難しい

そんな超ハイカロリーデッキなんですがオルゾフビート・Zoo・トロン・マガの全てに五分以上なんで捨てるわけにはいかない。

というわけでこれからの太陽拳はどうなるのか

プランA 白黒・トロンぬっころし型
ぞんびに倣い、《ゾンビ化/Zombify(8ED)》4枚に《御霊の足跡/Footsteps of the Goryo(SOK)》《死後剛直/Vigor Mortis(RAV)》まで積み、《神の怒り/Wrath of God(8ED)》を減らして《差し戻し/Remand(RAV)》を全抜きするという超尖り構成の太陽拳。リアニメートは当社比3.5倍ですが、キリが悪いので
10倍太陽拳と命名。
白黒に対しては8ラッツが入っていれば9−1まである。
8ラッツがなければ簡単にコントロールできるのでやっぱり8−2。
トロンに対しても、もはやここまでリアニメートが多いとトロンがほとんど揃わないので7−3。
しかしリアニに特化したためZooに相性が悪く4−6w
でも最近Zoo減ってるしなんとかなるべ!w

プランB 《明けの星、陽星/Yosei, the Morning Star(CHK)》
最近特に対トロン戦が多く、《夜の星、黒瘴/Kokusho, the Evening Star(CHK)》よりも《明けの星、陽星/Yosei, the Morning Star(CHK)》のほうが強いことが多いので
コクショウ減らしてヨウセイ投入するプラン。
やっぱりZooにちょっと耐性減るけどプランAほどでもない。
それでもトロンには6−4とまではいかない。トロン強し。

プランC 変形サイドボード 
多分15枚使う羽目になりますが変形サイドボードも計画中w
これを使えばネタがバレるまでは全てのデッキに対して勝率があがりそうw
ギルドパクトによって白黒関連の土地が導入されて、
ヤマコンは安定性を獲得して更なる強さを見せ付けることはもはや明らかでした。

しかし、そこにグルール系のビートダウンが立ちはだかる。

そもそもヤマコンはボロスのようなウィニー+大量の火力という構成は苦手としており、サイドからの《清麻呂の末裔/Descendant of Kiyomaro(SOK)》でなんとか勝っていたというレベルだったのです。
グルール系のビートダウンはボロスよりもさらにクロックが大きく、ヤマコンも早急にこれに対応する必要がありました。

そこで目をつけたのが《絶望の天使/Angel of Despair(GPT)》です。

リアニメートを1つのコンセプトとしていたヤマコンには《絶望の天使/Angel of Despair(GPT)》はうってつけでした。
出るだけでアドバンテージになり、グルールの生物は全て相打ち以上に持っていくことができました。

また、グルール系のビートダウンの隆盛によって、いつしか《明けの星、陽星/Yosei, the Morning Star(CHK)》のスペースは《夜の星、黒瘴/Kokusho, the Evening Star(CHK)》に変わっていきました。
《明けの星、陽星/Yosei, the Morning Star(CHK)》の1ターンよりも、5点のライフのほうがグルール系には効くからです。

こうしてヤマコンは全く違うデッキに生まれ変わっていきました。
ヤマコン生みの親のY先生は《絶望の天使/Angel of Despair(GPT)》の使用枚数を抑え1枚、《夜の星、黒瘴/Kokusho, the Evening Star(CHK)》を不採用だったのに対し、
シミチンはそのスペースに上記のカードを投入していきました。

また、《ディミーアのドッペルゲンガー/Dimir Doppelganger(RAV)》はリアニメートではあっても「場に出る」効果ではないので抜け、
《迫害/Persecute(8ED)》も《信仰の足枷/Faith’s Fetters(RAV)》や《屈辱/Mortify(GPT)》のスペースに変わりました。

このデッキは《絶望の天使/Angel of Despair(GPT)》=《ハゲ天使/Skin-Headed Angel(GPT)》をゾンビ化することを「太陽拳」と勝手に命名したシミチンによって太陽拳と名づけられました。

この《絶望の天使/Angel of Despair(GPT)》をゾンビ化するコンセプトはぞんびが自身のデッキ「ちゅ〜ごく」で特化してます。
「ちゅ〜ごく」はなんと《御霊の足跡/Footsteps of the Goryo(SOK)》まで投入しており、その結果《貪欲なるネズミ/Ravenous Rats(8ED)》や《金切り声の混種/Shrieking Grotesque(GPT)》を使うオルゾフビートに対して驚異的な相性を誇りました。

以下は初期の太陽拳のレシピです。

土地 23
5《平地/Plains(UNH)》
2《島/Island(UNH)》
1《死の溜まる地、死蔵/Shizo, Death’s Storehouse(CHK)》
3《湿った墓/Watery Grave》
3《神無き祭殿/Godless Shrine(GPT)》
2《アダーカー荒原/Adarkar Wastes(7E)》
1《地底の大河/Underground River(7E)》
3《オルゾフの聖堂/Orzhov Basilica(GPT)》
1《ディミーアの水路/Dimir Aqueduct(RAV)》
1《嘆きの井戸、未練/Miren, the Moaning Well(SOK)》
1《取引の教会、オルゾヴァ/Orzhova, the Church of Deals(GPT)》
印鑑6
3《ディミーアの印鑑/Dimir Signet(RAV)》
3《オルゾフの印鑑/Orzhov Signet(GPT)》

生物7
3《夜の星、黒瘴/Kokusho, the Evening Star(CHK)》
3《ハゲ天使/Skin-Headed Angel(GPT)》
1《曇り鏡のメロク/Meloku the Clouded Mirror(CHK)》

ソーサリー 11
4《強迫的な研究/Compulsive Research(RAV)》
4《神の怒り/Wrath of God(8ED)》
1《頭蓋の摘出/Cranial Extraction(CHK)》
2《ゾンビ化/Zombify(8ED)》
インスタント 10
2《地底街の手中/Clutch of the Undercity(RAV)》
4《屈辱/Mortify(GPT)》
4《差し戻し/Remand(RAV)》
エンチャント 3
2《信仰の足枷/Faith’s Fetters(RAV)》
1《ファイレクシアの闘技場/Phyrexian Arena(AP)》

SB
4《清麻呂の末裔/Descendant of Kiyomaro(SOK)》
1《複写作成/Mimeofacture(GPT)》
2《信仰の足枷/Faith’s Fetters(RAV)》
2《すべてを護るもの、母聖樹/Boseiju, Who Shelters All(CHK)》
2《迫害/Persecute(8ED)》
1《悪夢の虚空/Nightmare Void(RAV)》
1《頭蓋の摘出/Cranial Extraction(CHK)》
2《猶予の石/Moratorium Stone(GPT)》

この頃特に問題になっていたのは以下の2点
1.青マナが事故る
2.ドローが細くて土地を引きすぎる

それは当然で、《神の怒り/Wrath of God(8ED)》を安定して撃つため従来のヤマコンよりも印鑑を増量したぶんマナソースが多くなっているからです。
そうした理由で、《ファイレクシアの闘技場/Phyrexian Arena(AP)》の増量や青マナの増量が急がれた。
また、印鑑6枚+差し戻し4枚の構成では土地が22枚でも充分に回ることもわかったので、GPTの段階では土地1枚が追加の《ファイレクシアの闘技場/Phyrexian Arena(AP)》になりました。

この結果、オルゾフビートと緑白黒には事故と引きぬるで負けたものの他のデッキには全て勝つことができました。
浜松も終わったことだし、太陽拳の歴史でも書いてみようかと思います。残念ながら浜松で結果を残すことはできませんでしたが、これからも充分に可能性のあるデッキだと思ってます。

太陽拳の歴史の始まりはヤマコンまでさかのぼります。
ヤマコンとは、うちの大学の1年先輩である(実は同級生になってしまった)Y川先生が都道府県選手権後くらいに作り上げたデッキで、
当時うちの大学のMTGサークルの部室やフォーラムで皆から色々電波電波と言われながら調整に調整を重ねられていった、言わばサークルの英知が結集した至高のデッキです。

ヤマコンのレシピは以下

土地 23
5《平地/Plains(UNH)》
2《島/Island(UNH)》
1《水辺の学舎、水面院/Minamo, School at Water’s Edge(CHK)》
1《死の溜まる地、死蔵/Shizo, Death’s Storehouse(CHK)》
3《湿った墓/Watery Grave》
4《アダーカー荒原/Adarkar Wastes(7E)》
4《ディミーアの水路/Dimir Aqueduct(RAV)》
1《嘆きの井戸、未練/Miren, the Moaning Well(SOK)》
1《海の中心、御心/Mikokoro, Center of the Sea(SOK)》
1《影の家、ダスクマントル/Duskmantle, House of Shadow(RAV)》
印鑑4
4《ディミーアの印鑑/Dimir Signet(RAV)》

生物 10
4《明けの星、陽星/Yosei, the Morning Star(CHK)》
2《ディミーアのドッペルゲンガー/Dimir Doppelganger(RAV)》
1《鬼の下僕、墨目/Ink-Eyes, Servant of Oni(BOK)》
2《曇り鏡のメロク/Meloku the Clouded Mirror(CHK)》
1《塵を飲み込むもの、放粉痢/Hokori, Dust Drinker(BOK)》
ソーサリー 16
4《強迫的な研究/Compulsive Research(RAV)》
4《神の怒り/Wrath of God(8ED)》
2《迫害/Persecute(8ED)》
1《頭蓋の摘出/Cranial Extraction(CHK)》
2《ゾンビ化/Zombify(8ED)》
3《天羅至の掌握/Terashi’s Grasp(BOK)》
インスタント 6
2《地底街の手中/Clutch of the Undercity(RAV)》
4《差し戻し/Remand(RAV)》
エンチャント 1
1《信仰の足枷/Faith’s Fetters(RAV)》

ヤマコンが生まれた当初では、なんと《時間停止/Time Stop(CHK)》がメインから搭載されていました。
成程、どうせ青青が出る頃には6マナが出るのだからカウンターとして《時間停止/Time Stop(CHK)》は優秀・・・?だったのかもしれません。
しかしこのスペースはFinals予選前にいじられることとなり、
いつしか《マナ漏出/Mana Leak(ST)》→《差し戻し/Remand(RAV)》に変わっていきました。
また、セレズニアが流行して《迫害/Persecute(8ED)》が強いということで《迫害/Persecute(8ED)》が入り、
さらに十手が対処できないということで《信仰の足枷/Faith’s Fetters(RAV)》などを積んでいった結果、
デッキのほとんどが4マナ
という事態に陥りました。

ということは変成が強い。

当時の変成といえば、《ディミーア家の護衛/Dimir House Guard(RAV)》でした。この生物は何気に召喚されることも多く、《明けの星、陽星/Yosei, the Morning Star(CHK)》を自殺させたりするなどなかなかの活躍を見せていました。
しかし、変成時に黒黒を使ってしまうと《迫害/Persecute(8ED)》までは流石に撃てないという問題が多く、まもなく《地底街の手中/Clutch of the Undercity(RAV)》が発見されました。

このインスピレーションがヤマコンの大きな転機になりました。

GP導入前環境を支配したのはずばり《明けの星、陽星/Yosei, the Morning Star(CHK)》です。セレズニアとぐっどけちに両方搭載されていたこの生物をいかに処理するかがメタのポイントでした。

ヤマコンは《ゾンビ化/Zombify(8ED)》や《ディミーアのドッペルゲンガー/Dimir Doppelganger(RAV)》というリアニメート手段によって当時の環境では最も早く《明けの星、陽星/Yosei, the Morning Star(CHK)》を出せるデッキでした。
先に出すヨウセイが強いことは至極当然。
さらにヤマコンにメインから搭載されている《塵を飲み込むもの、放粉痢/Hokori, Dust Drinker(BOK)》が当時重量化していたセレズニアやぐっどけちに突き刺さりました。
さらに、《地底街の手中/Clutch of the Undercity(RAV)》を素でキャストすることが《明けの星、陽星/Yosei, the Morning Star(CHK)》+《よりよい品物/Greater Good(UZ)》に対する解答にもなっていました。 
こうした理由でヤマコンは当時の環境で勝利を重ねることができたのです。

しかしヤマコンにも致命的な弱点がありました。それは《併合/Annex(ONS)》です。
当初メタから無視されていたジャイアニズムデッキに搭載されていた《併合/Annex(ONS)》《夢のつなぎ紐/Dream Leash(RAV)》はあまりにもヤマコンに刺さり、《燎原の火/Wildfire(UZ)》は撃たれるだけでほぼ負けが確定するカードでした。
そこで苦渋の策として《天羅至の掌握/Terashi’s Grasp(BOK)》がメインから積まれました。
この副次的な効果として十手に対処することが容易になり、ライフゲインが実は無茶苦茶強かったりしてボロスに対する勝率も上がったのでした。

そしてギルドパクトが発売されます・・・。

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